とある情報教師の独り言 #2

高等学校の教科『情報』の光と影

オンライン授業が進まない理由

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去年の今頃は全国の小中高校で一斉休校が行われていました。その影響は大きく、結果として約2ヶ月も授業が遅れることになりました。小中学校だと約3ヶ月もの遅れとなりましたね。

 

休校期間中に言われて続けていたのがオンライン授業です。登校せずとも授業が受けられれば、感染拡大と学習の遅れを同時に対策できる。しかし、多くの学校でオンライン授業はできませんでした。

 

理由はいくつかあります。分かりやすいところでは、そもそも環境が整っていなかったこと。自宅にPCやネット環境がなかったり、スマートフォンを持っていても無制限に使えるWi-Fiがなかったり、Wi-Fiがあったとしても通信環境に不安があったりしました。環境が整っていないのは当然で、今まで学校というのはオンラインで授業をするなど全く想定していなかったのです。

 

あれから1年たった今、学校はオンライン授業をできるようになっているかというと、そうではありません。なぜなら、平時にオンライン授業を行うことがないからです。環境が整っていればオンライン授業ができるかといえば、そうではありません。実際に行ってみて分かることは沢山あるはずなのに、非常事態に備えたオンライン授業の練習を全く行っていないのです。

 

また、うちの県で言うと、高校でも年度内に1人1台のPC環境を整えると聞いていましたが、実現しませんでした。理由はPCよりもエアコン設置を優先してしまい、予算がなくなってしまったのです。エアコンも大事だと思うかもしれませんが、オンライン授業の環境を整えていれば、そもそも登校しなくてもいいのです。こういったことから、是が非でも登校させるという意識が離れない限り、オンライン授業が進むことはないでしょう。

 

小中学校でもGIGAスクール構想で環境は整いつつありますが、それを活かすも殺すも教員次第です。ゆとり教育も、情報教育も、先進的な取り組みをことごとく潰してきたのも他でもない現場の教員です。オンライン授業も同じ道を辿らないことを祈るばかりです。