とある情報教師の独り言 #2

高等学校の教科『情報』の光と影

受験科目になれば情報教員の採用は進むのか

早ければ2024年度から大学入試共通テストで、教科としての情報科目が追加されます。今までも数学の科目の中に「情報関係基礎」というものがありましたが、あくまで数学との選択になるので、受験者はかなり少なかったです。

 

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さすがに受験科目ともなれば、専任の教員を採用すると思いますよね。今よりは進むと思いますが、私はそれでも大幅に増えることはないと考えています。まず、現状において、情報の教員志願者が少ないです。

 

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大都市圏ではそれなりに志願者も多いですが、それ以外の地域では絶望的です。情報教員採用の一番の課題は、そもそも志願者が少ないところにあります。理由としては、過去の記事にも書いたように、無駄にハードルが高い割に、採用後の扱いも決して良くはないからです。大学でも学生に情報教員への道を推奨してはいないのだと思います。

 

そして、そもそも教員を目指す動機として、恩師という存在も大きいと思います。私が数学の教員を目指したのも、高校時代の数学の先生の影響がありました。もともと数学が苦手だったのを克服できたのが、その先生の分かりやすい授業のおかげだったからです。

 

では、情報の授業とはいうと、専門外の先生に嫌々授業をさせられ、不毛な時間を過ごした生徒も多いのではないでしょうか。そういった教員が多ければ多いほど、後進が育つという可能性が低くなります。その場しのぎで教員配置を行ってきたツケが出てきているのだと思います。

 

こんな状況で、情報科の専任が必要になったからといって、急に志願者が増えるとは思えません。結局の所、成り手がいないのであれば、他教科兼任で回すしか無いと考えるのではないでしょうか。同じ過ちを繰り返すのは、日本の教育の得意技ですからね。

 

そして、文部科学大臣もこのように話しています。(12:45あたりから)

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情報という教科はオンラインで十分らしいです。だったら全教科オンラインで十分だと思うのですが。そもそも教員を増やしたくない国ですからね。期待するだけ無駄なのかもしれません。