とある情報教師の独り言 #2

高等学校の教科『情報』の光と影

共通テストの情報は必須科目とされるのか

benesse.jp

 

2025年度から大学入試共通テストに「教科・情報」が追加されることは決まりそうですが、問題は大学の方がどれくらい必須科目にするかどうかです。

 

そもそも「情報関係基礎」という科目はセンター試験時代から存在していました。しかし、数学②の中に取り込まれていたために、数学を選択するケースが殆どでした。その気になれば、情報系の大学は必須科目にしていできたはずなのに、そうはなりませんでした。

 

理由はおそらく「情報を指導できる教員がいない」からでしょう。情報関係基礎を指定してしまうと、情報科の専任がいない高校の生徒が不利になってしまいます。それゆえ大学側も強気に出れなかったのではと思います。

 

そう考えると、仮に正式に教科として情報科目が追加されたとして、指導者の問題が解決できなければ、必須科目にできない大学が続出するのではと思います。そもそも共通テストは記述式の問題や英語のスピーキングテストも検討されていましたが、立ち消えてしまいました。いくら必要とされる能力の試験であっても、実現性が低くなれば実施が難しいと判断されてしまうのです。

 

情報の共通テストが必須科目とされるためには、情報科専任の配置が必要です。しかし、整備するためのタイムリミットは実質1年を切っています。来年度の高校1年生から「情報Ⅰ」を履修し、彼らが高校3年で受験するときに、情報が共通テストに登場します。それなのに現時点で情報科教員が足りないと言っている時点で、雲行きは相当悪いような気がします。

 

せっかく追い風が吹いてきたかというのに、結局教員不足でまた向かい風になってしまうかと思うと、残念でなりません。また教員不足を解決するために、他教科の教員を情報科に引っ張ったとしても、根本的問題は何も解決しません。まずは副免許を廃止したり、非正規で頑張っている人たちを積極的に正規に採用するなど、本当に必要である扱いをしないと、教員不足は解決しないし、志願者も増えることはありません。