誰のための教科書なのか
「また同じ過ちを繰り返すのか…」
他の教科ではありえません、専門外の教員のために教科書の難易度を下げるなんて。しかし、それが当たり前のように行わるのが情報科です。
以前、教科書会社の人と話をしたことがあります。情報科は人がいないので、非常勤講師にすら教科書を売り込んできます。とにかく、生徒ではなく先生が分かりやすいかどうかが重要らしく、その辺のアピールをされました。また、教科書会社の人の話では、専門外の先生から教えやすいように指摘をされたとか何とか。こうやって情報科の教科書は、どんどん使いにくくなっていったような気がします。
ちなみに私は教科書を殆ど使いません。定期テストの範囲にするくらいです。使いたいというより「使えない」といった方が正しいでしょうか。教科書に沿って授業をしてたのでは、まともなことなんて教えられないと思います。
教科書を使わないとなると、プリントなどの自作の教材を作ることになります。確かに大変ではあります。私は非常勤だったので、教材研究する時間が十分にありましたが、教諭や常勤講師の先生だと、確かに教材研究の時間が厳しいのかもしれません。
ただ、よくよく考えてみると、教材研究の負担って何なんでしょうね。教員はそれが一番の仕事だと思うのですが、いつしか教材研究は仕事ではなく、趣味に近いものになってしまっています。
教員の仕事はブラックブラックと言われ続けていますが、きつい仕事であっても、それが授業改善のための時間であれば、先生方は弱音を吐くことなどないはずです。一番優先すべき教材研究が、一番おろそかになってしまっていることが、教員の仕事の一番の問題な気もしますね。