とある情報教師の独り言 #2

高等学校の教科『情報』の光と影

情報科の非常勤講師

他の自治体は分かりませんが、自分の県の場合、情報科の正規教員は今年度で7人しかいません。昨年の教員採用試験で1人だけ合格しましたので、新年度の段階で8人のみ情報科の正規教員が存在することになります。

 

しかし、当然うちの県の高校は8つ以上存在します。専任がいない学校の情報科は、必然的に他教科の教諭が兼任するか、非常勤講師が担当することになります。ちなみに、常勤講師の可能性は殆どありません。

 

せめて常勤で働ける可能性があれば、収入を安定させながら採用試験を受け続ける考えも持てますが、非常勤という不安定な職しか無い以上は、よほど志が高くないと講師すらする発想になれないと思います。

 

私は、情報科の非常勤講師を続けてきましたが、2校掛け持ちで週20時間程度の授業を担当して、年収が230万くらいです。贅沢さえしなければ生活には困りませんね。独身なら、それなりに趣味も満喫できるし、その気になれば貯金もできます。

 

ただ、うちの県でいうと、情報科の非常勤講師ですら仕事がなくなってきているのが現状です。講師ですら成り手が枯渇しつつあるので、他教科の教諭に兼任させる方針になっています。非常勤を当てにして、担当が誰も見つからないのが一番困ると思っているのでしょう。

 

他教科と兼任だろうが、情報という教科に真摯に向き合ってくれるなら問題ありません。しかし、専門ではない教科にために情熱を注げる人が果たしてどれくらいいるのでしょうか。少なくとも他教科で情報を引き受ける人は、「仕方なく」引き受ける人もいます。そういった先生が授業をしたときに、まともな授業になるとは思えません。

 

そう考えると、一番の被害者は生徒なわけです。せめて、いま非常勤講師で頑張っている先生を積極的に採用して、質の良い授業を提供し、情報科の教員を目指す生徒を1人でも多く生み出していくべきではないかと思います。