とある情報教師の独り言 #2

高等学校の教科『情報』の光と影

情報科教員採用の問題点

前回の記事で「情報科の教員は足りていない」とのように書きましたが、何故に教員が足りないのか。

 

そもそも高等学校の教科「情報」は2003年度より必修教科としてスタートしました。新教科として設置された理由はもちろん、情報社会に対応できる人材を育成するためです。今の社会を考えると、教科化して全高校生に学習させることは正解でした。

 

しかし、現場はどちらかというと迷惑だったのでしょう。情報教育が大事なのは分かるが問題は「誰が担当するの?」という話です。中学校や高等学校は、その教科を担当するためには当該教科の教員免許が必要ですが、新教科であるがゆえに誰も教員免許をもっていませんでした。教科をスタートする上で最大の壁が担当者をどう配置するかだったのです。

 

そこで、当時の現職教員に、短期間の講習を受けることで教員免許を与えるという策をとりました。自動車免許で言う仮免許みたいなものでしょうか、とりあえず未履修問題を防ぐために形だけでも免許を持たせたのです。

 

とはいえ、専門外の教科を担当するのは抵抗があったと思います。それでも、ある程度我慢すれば、そのうち専門の教員を採用してくれるだろうと思っていた教員も少なくないと思います。

 

しかし、うちの県をはじめ、多くの自治体では専門の教員採用を一向に進めませんでした。大阪や東京などの大都市では採用を進めていましたが、全国的に専門の教員は足りていません。

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3年前の記事ではありますが、今年度時点で劇的に採用が進んではいません。

 

採用を進めない理由は色々ありますが、私が考える一番の原因は、最初に他教科兼任で担当させてしまったことだと思います。教科をスタートするのと、専門の教員の配置はセットで行わなくてはいけませんでした。今年度から小学校で始まったプログラミング教育も同じ轍を踏もうとしています。新しいことを始めるのは大事だと思いますが、同時に人材も準備しないといけないと思います。