とある情報教師の独り言 #2

高等学校の教科『情報』の光と影

中学技術科教員不足が及ぼす高校情報科への影響

これは高校の情報科としても看過できない話です。

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中学校の技術科の教員も成り手がいないらしいです。高知に限った話でもありません、うちの県でも志願者は少ないです。

https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/825066.pdf

中学校技術科の志願者は1人しかいませんでした。採用予定数が1人であれば気にすることはないのですが、そうでなければ由々しき事態です。そもそも中学校の技術科もハードルが高い教科です。情報科みたいに副免許こそ要求されませんが、教える内容が幅広く、学校に1人程度しか配置されないこともあり、採用されてからの負担も大きいようです。

 

中学校技術科がこのような状態であれば、まともな情報教育を受けないまま高校へ進学する生徒も少なくはないと思います。実際、高校1年生を見ていると、中学校での技術科の指導内容の差が、高校入学段階での格差となっています。

 

kenkenradio.hatenablog.com

 高校の情報科で指導するにあたって、何を指導するかよりも、生徒たちにどこまで要求して良いのかが課題になってきます。もちろん出来る生徒もいるのですが、出来ない生徒を放置するわけにもいきません。出来ない生徒の理由も、個人の努力不足であれば厳しくしてもいいとは思いますが、中学校の授業自体が原因であれば、その生徒を責めることができません。

 

結局の所、PCの使い方というのが中心にならざるを得なくなり、本来情報科で教えるべき内容にまで届かないこともあります。情報の新科目の「情報Ⅰ・Ⅱ」についても、教えたい内容の意図は分かるのですが、問題は中学校までにどれくらい情報教育を徹底できているかなのです。

 

それなのに、指導者が免許外の先生であれば、質を求めることなどできません。無理を言ってお願いしている立場ですからね。高校の情報科も同じような状況が長年続いていたわけです。

 

今、情報Ⅰの指導計画を考えてはいますが、中学校までに十分な情報教育が行われていることを前提にできないがために、難しいものになっています。個人的には、中学校でも情報を教科化してほしいものですが、仮にそうなっても成り手の問題が壁となり、実現は相当難しいのだと考えています。