とある情報教師の独り言 #2

高等学校の教科『情報』の光と影

情報Ⅰの指導計画を考える

同業者向けの記事になります(;´∀`)

それ以外の方でも、よろしければ読んでみてください。

高校の情報科の授業では、こんなことをやっています的な内容です。

 

2022年度からスタートする情報科の新科目「情報Ⅰ」の授業内容を考えてみました。もちろん、全部ではありませんが、まずは4章構成のうちの第1章部分について。ちなみに情報Ⅰの内容は次の通りです。

 

(1) 情報社会の問題解決
(2) コミュニケーションと情報デザイン
(3) コンピュータとプログラミング
(4) 情報通信ネットワークとデータの活用

 

詳しくは以下のリンクを参照してください。

www.mext.go.jp

 

まず第1章「情報社会の問題解決」です。

 

ふと思ったのが、「高校1年生の最初から問題解決の実践ができるのだろうか?」です。

 

この問題解決は「社会と情報」の授業では最後に行っていました。私は、情報社会が抱える問題の解決策を、調べてまとめてプレゼン形式で発表させる、という授業を展開しました。ただし、プレゼンは時間が掛かります。1人1台のPC環境や、中学校までにプレゼンの基礎をどれくらい身につけているかによって、授業計画が左右されるのが懸念ですね。

 

プレゼン以外であれば、ポスターセッション、レポート作成などが妥当なのかと思いますが、私はポスターセッションを行うくらいならプレゼンの方が有意義なのだと考えています。

 

プレゼンという形式にすると、1人ずつ発表となれば時間が果てしなく掛かってしまいます。そこで考えたのが、プレゼンを4〜5人程度の小グループ内で行い、その様子を映像に収め、その映像を提出という形が良いのかと考えました。もっと欲を言えば、その映像を編集し、ひとつの映像作品にするのも面白いですね。もしくは、第2章の情報デザインの内容につなげてみたりするのも良いかもしれません。

 

まとめると、

 

①情報社会の問題点を見つけ出し、テーマを設定する。

ブレインストーミングKJ法マインドマップなど情報の収集整理の手段について指導する。テーマは生徒自身から見つけ出すことを前提とするが、教員側で想定されるテーマは用意しておく。

②各テーマについて知識の整理を行う

座学による授業を行うか、レポートにまとめさせる。すべて生徒任せにすると時間がかかるため、ある程度は教員側で解説をしたほうが良い。セキュリティやサイバー犯罪などについて、用語などの知識を身に付けさせる。

③プレゼン資料作成にあたって著作権について指導する

ここで、著作権を含む知的財産権について解説・知識の整理を行う。座学による指導、プリント学習を行う。

④プレゼン資料を作成し、発表する。

あとは生徒に任せる。1人1台のPC環境が望ましい。そうでない場合は、プレゼンという形式は見送ったほうがいいかもしれない。

 

まだ大まかな指導計画の段階ではありますが、実習を軸としつつ、知識の補完も行い、定期テストや受験などにも対応できるようにしています。ただし、生徒の能力がどれほどなのかにもよります。過日の記事で述べたように、中学校までのまともなコンピュータ教育を受けてなければ、PCの使い方も教えながら進めないといけないので、時間が大幅に増えてしまいます。そうならないことを祈るしかないですね。