とある情報教師の独り言 #2

高等学校の教科『情報』の光と影

もう「社情」という逃げ道はない

こんばんは。

 

2022年度(令和4年度)から高等学校の教科「情報」の新科目「情報Ⅰ」がスタートします。今までとの大きな違いとしては、プログラミングが必須項目になっているところですね。

 

現状は「社会と情報」か「情報の科学」の選択必修です。「情報の科学」ではプログラミングに触れますが、「社会と情報」では基本的には触れません。代わりに、情報モラルや情報社会について考える内容が多くなっています。正直、内容としてはあまり面白くはありません。

 

しかし、多くの高校は「社会と情報」を選択しています。理由は、こちらの方が簡単な内容だからです。生徒の能力に合わせているのもありますが、むしろ教える教員のレベルに合わせている側面が大きいです。情報科の専任教員は足りておらず、仕方なく他教科の先生が兼任することが多いです。そういった先生の負担にならないように、簡単な内容にしているものと思われます。

 

かくいう私も元々は数学教員で、仕方なく情報を担当したという経緯があります。しかし、担当する以上は授業の質を求めないといけないと思い、教材研究に励みました。もちろん、非常勤講師という時間があった身分だったからできたかもしれませんが、立場は言い訳にはしてはいけません。

 

基本的に専門外の教科など、そこまで真剣に研究しないのが普通だと思います。しかし、情報Ⅰからはその考えは通用しません。プログラミングや情報デザインなど、知識があったとしても教えるのは容易ではありません。知識さえもなければ教えることなど不可能だと思います。

 

そして、大学入試共通テスト(新センター試験)にも情報科目が追加される可能性が濃厚になってきています。

coeteco.jp

 

多くの県立学校は情報科の専任も少なく、しかも採用を進めていません。おそらく他教科の兼任の先生に、無理やり任せるのだと思います。嫌々教えている先生に教えられる生徒が本当に可愛そうですね。今まで情報という教科を軽んじ、教員の採用や育成を怠ってきたツケが回ってきそうです。