とある情報教師の独り言 #2

高等学校の教科『情報』の光と影

情報科教員の採用が進まない理由

情報科の教員採用が進まなかった理由をもう少し考えてみます。

 

学校では「情報教育は必要だ必要だ」と言われますが、果たして他教科の先生は本当にそう思っているのでしょうか?そう疑問に思ったことがあります。

 

ある進学校で勤務していた時の話です。その高校は、進学校であるにも関わらず、3年時に情報を置くというカリキュラムを設定していました。本来ならありえない話です。受験を直前に控えた学年で、体育以外で受験に関係ない科目を置くなんて。

 

当然、担当する方は大変です。それ以上に生徒たちも大変でしょう。本気で授業をすればするほど、受験の邪魔になってしまうのですから。

 

何故にそのような狂ったカリキュラムにしていたのかというと、原因は理科や社会です。基礎科目を早い段階で履修させたいがために、情報・家庭科・芸術科のどれかが犠牲にならざるを得なかったのです。情報科は専任が存在しなかったせいで、反論することすらできず、3年次へ追いやられたのだと思います。

 

それにしても、進学校の3年次で情報を設定するなんて悪意しかありません。特に受験生は評定のこともあり、攻めた内容にすることが難しいです。要は授業の質など、どうでもいいと思われていたのでしょう。受験の邪魔にならないよう、適当にやってくれと言わんばかりに。

 

情報科の教員採用を進めるのであれば、必修の時間数を増やせばいいのです。そうすれば嫌でも担当者が必要になります。しかし、それを反対するのは他でもない、現場の教員です。表面では必要だと言っておきながら、授業時間数が増えると他教科が犠牲にならざるを得ないわけですから、情報の時間数をもっと増やそうという話になったら、真っ先に反対されるでしょうね。