とある情報教師の独り言 #2

高等学校の教科『情報』の光と影

Excelの授業実践

久々の更新です(;´Д`A ```

 

少しずつですが、自分の授業実践を書いていこうと思います。

授業の仕方に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

 

今回はExcelについて

 

目標と現実

 目標は「VLOOKUP関数」

日本情報処理検定協会の基準でいうと準2級程度です。

 

そして現実ですが、生徒の能力はバラバラです。

年度初めに実施したアンケートでは

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「経験したか」という質問で6割。

つまり4割はExcel自体にほぼ触れていない。

6割の中でも、しっかりと学習していたかどうかは分かりません。

つまり、ほぼ全員が初心者レベルとみていいと思います。

 

使用教材

「社会と情報(東京書籍)」の教科書には操作法だけ書いてあって、演習問題などは一切ありません。

中学までにOfficeソフトは使いこなしているという想定なのでしょうが、現実は全く違います。

そこで、副教材として日本文教出版「コンピュータ入力問題集」を使用しています。

 

www.nichibun-g.co.jp

このテキストの良いところは問題演習が中心で、レベルが検定でいう3級~2級程度で、初心者から中級者まで幅広く対応できることです。

 

授業の進め方

いかんせん初心者が多いので、操作法から説明しないと何もできない生徒がいます。

そのため、テキストとは別に操作法などをまとめたプリントを作成し、配布しています。

 

更に問題は生徒の習熟度がまるでバラバラなことです。

全員がまったく初心者なら一斉に解説しながら進めるのですが、中途半端にできる生徒が混ざっているのです。

本来は、このような状況が想定されるので、情報の授業は教員2人でチームティーチング(TT)を行うことが多いですが、残念ながら自分が置かれている状況は1人です。

 

一斉に解説しようにもどこに照準を絞るかが難しい。

そしてできない生徒に必要なのは、上手な解説よりも個別指導です。

TTであれば容易に解決できるのですが、それができません。

 

動画の活用

そこで思いついたのが「動画の活用」です。

動画であれば分からない箇所を何度でも見返すことができます。

更に解説を動画に任せることにより、自分は授業中完全にフリーとなり、個別指導やトラブル対応に専念できるようになります。

 

もちろん都合の良い解説動画はないので、テキストに合わせたものを自作します。

準備は大変ですが、狙った通り、授業中は個別指導に専念できました。

 

Youtubeに授業で使用した動画教材の一部をアップしています。

動画編集はほぼ初心者なので拙い出来になっています…

これから少しずつ技術を上げていきたいと思います。


Excel授業動画①

 

提出方法

加えて、ワークシートを「印刷」して提出させました。

このとき、普通に印刷したものに加えて「数式の表示」をしたものも併せて提出させます。

 

Excelで作成したものは数値などの結果が表示されますので、ただ印刷したものだと「関数を使わずに結果だけ打ち込んだ」ものが出てきます。

出来ない生徒が特にこういう行動に走ります。

数式の表示をすれば関数を使ったかどうかが一目瞭然なので、ズルをする生徒が減ります。

ただ、それでも関数を使わず結果だけ打ち込んで提出する生徒もいます。

その場合は、再提出を義務付けます。提出は評価に入れます。

 

評価方法

提出だけではどのみち「関数を写して終わり」になってしまいますので、実技試験を必ず実施します。

そこで本当にExcelを理解しているか、試験に対して努力をしたかを判断できます。

実技試験は2回実施し、1回目は3級程度、2回目は準2級程度を想定して試験しました。

平均は2回目の方で6割くらいでした。

悪くはないですが、良くもありません。

出題内容は事前に告知してあり、試験対策問題も用意していました。

にもかかわらず、平均が伸び悩んだのは生徒自身が試験対策していなかったからですね。

ある意味ここが一番の壁のような気もします。

 

考察

メリットは「TT無しで、一斉指導と個別指導の両立ができること」に尽きます。

デメリットは「準備と評価の負担が大きい」ことですね。

ただこれについては効率化を図っていけば何とかなると思います。

あとは印刷のコストもかかりますね…そのうち何か言われないか怖いところです。

 

まだまだ粗が目立つ指導法ではありますが、試行錯誤を繰り返していけば、理想的な形なるのではないかと思っています。

Excelに限らず解説動画の活用は試みる価値はありますね。