とある情報教師の独り言 #2

高等学校の教科『情報』の光と影

プレゼンの評価

プレゼンの授業は生徒にとって有意義なものですが、授業担当者として評価をどのようにするかが難しいところです。高校の場合、成績を点数で出さないといけないため、評価の観点をハッキリと示さないといけません。

 

しかし、プレゼンは表現するものであり、それを点数化するのは大変です。M-1グランプリなどのお笑いコンテストでも点数を出していますが、毎年点数について物議を醸しだしています。何故に難しいのかというと、結局のところ表現に対する評価というのは、その人の主観によるものが大きいのです。

 

そこで、生徒にも点数をつけてもらいます。これを相互評価と呼んでいます。いくつかの評価項目を用意して、5点満点などで点数をつけてもらいます。この相互評価も成績の一部になることは事前に伝えます。ただし、点数の付け方があまりに不自然な場合は、相互評価は参考にしない、とも伝えます。

 

これは生徒を信頼できなければ難しい方法です。こちらも「君たちは他人を正当に評価できる優秀な生徒だと思って、相互評価を実施している」と伝えます。それでもまともな評価をしない生徒もいますが、明らかな怠慢、例えば全員に満点をつけるなどの行為に対しては、授業の評価を下げると釘を指しておきます。

 

また、相互評価は点数を集計し、発表した生徒1人1人に集計結果を渡します。もちろん誰が何点入れたかは分からないようにします。これによって、自分が付けた評価がクラスメイトに届くために、責任をもって点数をつけないといけない意識が働きます。

 

ここまですれば大抵の生徒は、ちゃんと評価を行ってくれます。

 

これらによって、成績に客観性を持たせるだけでなく、生徒はプレゼンをちゃんと聞くようにもなります。他人を評価するというのも、成長の上では必要なことであるし、彼らにとって良い機会になると考えています。もし万が一、相互評価が不自然な結果になったとすれば、成績の参考にしなければいいだけの話です。

 

けど、集計するって大変じゃない?と思う方もいるかもしれませんが、そこでICT活用なわけです。私は、コンピュータ室で授業を行うので、生徒たちは目の前のPCで、Excelファイルで作った評価シートに入力します。あとはデータを回収すれば、集計はすぐにできます。PCでなくとも、マークシートを作成したり、タブレットが使えるならば、アンケートフォームなどを活用すれば、デジタルな採点を行うことは容易です。これらを紙でやろうとすると流石に大変です。

 

この辺のアイデアは、こちらから得ました。

www.okamon.jp

ちなみにこのサイトは、私が情報科の教員になったときに、教材研究の参考にさせてもらった、師匠のようなものです。

 

評価も含めて授業を構築しないと、教員にとっても生徒にとっても「ただやっただけ」のものになってしまいます。プレゼンの評価自体は難しいですが、だからこそ細かく基準を設けることが重要です。