とある情報教師の独り言 #2

高等学校の教科『情報』の光と影

プレゼンスライドの作り方

PowerPointなどのプレゼンテーションソフトというのは便利ですが、ちゃんと使い方を指導しないと、生徒たちは間違ったスライド作成を行ってしまいます。ただ、ソフトの操作法を教えるのではなく、どのようにデザインするかをちゃんと教えないといけません。

 

プレゼンソフトで最も使われるのは何だかんだでPowerPointだと思います。このPowerPointが実は曲者で、分かりにくい酷いスライドが作られてしまうのも、このPowerPointというソフト自体に問題があるとも言われています。

 

suke10.com

 

このように言われる理由としては、文字が多いものや、細かいデータのグラフなどを載せたような、ダメなスライドばかりが多いのだと思われます。スピーチが重要とは言うものの、視覚に訴えるものがあった方が伝わりやすいのも事実です。私は禁止にするのではなく、効果的なスライド作成というものを教えるべきだと考えています。

 

ダメなスライドが生まれる理由の1つが、PowerPointのこれです。

f:id:kenkenradio:20210314163824j:plain

 

「タイトルとコンテンツ」と呼ばれるレイアウトの1種です。私は諸悪の根源の1つがこれだと考えています。こういった枠があるから、無理にタイトルを付けたり、無理に箇条書きにしたりします。また、文字を先行して入力してしまうがために、挿入されたグラフや画像が小さくなりがちになります。文字が多いスライドなんて誰が好んで見るのでしょうか。それなのに、生徒たちは放っておくとスライドを文字をびっしり埋めてきます。

 

それを防ぐために、レイアウトを「白紙」に設定します。

f:id:kenkenradio:20210314164220j:plain

f:id:kenkenradio:20210314164256j:plain

白紙にすることで、文字入力を先行することが減ります。スペースを広く使えることもあり、文字や画像も大きく使うようになります。たったこれだけで、見やすいスライドになる可能性がグッと上がります。これを生徒たち教えてから、見にくいスライドというのは殆ど無くなりました。

 

ただし、シンプルなスライドにすれば、その分スピーチの内容にクオリティが求められます。逆に言えば、スピーチの内容を考えるように仕向けられるので、本来あるべきプレゼンの指導を行えるようになります。

 

もちろん、白紙のレイアウトにすれば万事OKというわけではありません。むしろ、これが最低限のことであって、ここからどう指導するかが重要になってきます。