2019年度 情報科導入テスト アンケート考察
こんにちは。
平成も終わり、令和時代が始まりました。
今年度も始めに「情報科導入テスト&アンケート」実施しました。
このテストの趣旨については、過去の記事を参照してください。
貼り付けてみて分かりましたが、昨年度については記事にしてませんでしたね…
近いうちに3か年の比較もまとめてみようと思います。
さて、まずはアンケートについて考察します。
今回は掛け持ちしている2校のうち、1校のデータです。
県内の中心部に位置する学校です。生徒もその近隣から集まっています。
①タイピング自己診断(n=240)
「その他」が一番多いですが、これは「両手を使っているが、入力速度に自信はない」ということでしょう。この割合が多いのは例年通りですが、気になるのは「片手だけで入力している」の割合が昨年(7%)よりも増えました。家でも学校でもPC離れが進んでいるのでしょうか。
ちなみに昨年のデータはこのようになってました。
②PC所持状況(n=268)
これはほぼ例年通りです。
日本の高校生は先進国で最もコンピュータ活用をしていないというデータがあります。
「日本の子供は賢いがコンピューターが使えない」
https://ascii.jp/elem/000/001/407/1407179/
PCを扱えない学生が増えている理由は「学校で使わせようとしないから」と私は考えています。情報の授業以外では殆ど利用しない。授業で利用しないにしても、レポートなどの課題をコンピュータで作成させることも少ないです。そもそもレポート形式の課題を出すことが少ないように思えます。5教科の課題は問題集の問題を解くだけ。PC活用以前の問題なのかもしれませんが。
③携帯電話所持状況(複数回答含む)
高校生では、ほぼ100%スマートフォンを所持しています。これはここ数年状況は変わりません。むしろ、「いつからスマートフォン持ち始めたか?」という質問にした方が、有意義なデータが取れるかもしれません。
④SNS利用状況
これも傾向は昨年と変わりませんでした。インスタグラムの利用者が少し増えましたが、これは少し注意が必要です。昨年多発した「バイトテロ」もTwitterよりもインスタグラムでの投稿が多かったようです。画像や映像は文字よりも多くの情報を含むため、投稿する際には注意が必要です。学校では指導するにはしますが、利用者増えれば事件の可能性も上がることは避けられません。
⑤中学校までのコンピュータ活用経験
これは今年度から設定した項目です。昨年度まではWord・Excel・PowerPointしか尋ねませんでしたが、他の内容も気になったのでこのような形で実施しました。
特筆すべきは「プログラミング」でしょうか。48%が多いと思うべきか少ないと思うべきか。来年度から小学校でプログラミング教育が必須となるのに、現状で半分程度しか触れてきていないというのは不安をおぼえます。中学校の技術科でもプログラミングは「やること」とされているのも関わらず、この数字ですから。小学校のプログラミングも本当に教えてくれるのか疑ってしまいますよね。
いずれにしても中学校までのPC活用は決して盛んではなく、高校1年の時点でも生徒のPC活用能力は決して十分ではありません。高校の教科書を鵜呑みにして、「高校生ならここまではできるだろう」と過信すると痛い目に遭います。情報の担当者の方は十分肝に銘じておくべきですね。
⑥まとめ
アンケートは集計や分析に手間はかかりますが、マークシートやPCを活用すれば比較的に楽に行えます。生徒の現状を把握できるので、授業の内容や指導の目安にもなります。情報の担当者でアンケートを行っていないという方は、ぜひとも実施してみてはいかがでしょうか。