非常勤講師のお仕事
どうもこんにちは。
Twitterで講師の方のツイートを見てると、非常勤の働き方が分かりにくいような感じだったので、今回は非常勤講師の仕事についてまとめてみます。
まず、学校の先生といっても様々な勤務形態があります。
・教諭(正社員)
・常勤講師(契約社員)
・非常勤講師(アルバイト)
大まかに分けるとこんな感じです。
教諭に関しては日本全国どの学校も扱いにそんな変わりはないと思います。
しかし、講師に関しては公立と私立によって変わります。
また、公立でも自治体によって扱いは違うそうです。
なので今回は、自分が勤務している宮城県立学校の非常勤についてまとめたいと思います。
1.仕事の内容
一応、県の募集要項には次のように書いてあります
1週間につき,正規職員の1週間の勤務時間(38 時間 45 分)
の3/4以内,かつ1日 7 時間 45 分以内です。
http://www.pref.miyagi.jp/uploaded/life/1041549_1201770_misc.pdf
しかし実際は、「授業のみ」です。
何時から何時までという勤務時間が決められていません。
自分の担当する授業時間以外に拘束時間はなく、授業が始まるときに来て終わったらすぐに帰っても構いません。
空き時間に外出するのも基本的に自由です。
ただ、上記の勤務時間であれば、他に何らかの仕事を頼まれるかもしれません。
2.収入
担当する授業1時間につき2800円となっています。
しかし、1で述べたように勤務時間が決められていませんので、実際は週当たりの授業時間から月給を計算し、固定給で支給されます。
目安としては「持ち時間数×11,000円」くらいです。
週に10時間授業を担当すれば、月に11万円程度支給されます。
これは月の授業数によって変わることはありません。
例えば定期考査などにより、1週間授業がなかったとしても、支給額が減ることはありません。
しかし、長期休業期間(春休み・夏休み・冬休み)はその限りではありません。
正確には長期休業期間に入る前に契約が一旦解除されます。
簡単に言うと一時的にクビにされます。
1年のうち、4月・7月・12月・1月・3月は約25%分、夏休みのある8月にいたっては75%分給料がカットされると思ってください。
つまり、先の例に挙げた「月給11万円」のパターンでも実際の月給は
<年額> 11万×12=132万
<カット分> 11万×25%×7=19万2500
<実際の月給> (132万ー19万2500)÷12≒9万3958円
そして、これは手取り額ではありません。
所得税が若干引かれますが、問題は年金・健康保険・住民税などの税金は別になります。
特に常勤から非常勤になったとき、自動的に国民年金・国民健康保険・市県民税の請求が一気に来ます。
年金は固定額ですが、国保や住民税は前年度の収入から計算されるので、貯金や退職金は大事にとっておかないと大変なことになります。
3.まとめ
要はアルバイトなんですね。
勤務形態にしても収入にしても。
ただ、現実は授業のみ行っていればいいわけではありません。
授業の準備、教材研究、課題チェック、試験の採点、成績処理。
授業時間外に、質問などの生徒対応もありえます。
特に、実技教科に関しては実習等もあり、その準備等に時間を割きます。
私の場合は情報なので、コンピュータ室の対応に追われることあります。
またPC関連のトラブルや、本来関係のない視聴覚機器のトラブルにあたったり。
美術の先生も、課題のチェックや放課後に残って課題をする生徒のために自分も居残ったりするのではないでしょうか。
それでも常勤講師に比べれば割に合ってる仕事だとは思います。
私は週22時間も担当してますが、それでも自分の時間を十分に持てています。
教材研究も十分にでき、授業の質を上げ続け、自信を持てるようにもなりました。
授業だけなら、教諭の先生にもベテランの先生にも負ける気はしません。
(情報科はむしろ教諭の先生の授業レベルが酷いことが多いです)
しかし、長期休暇期間中にクビ切られるってのは何とも…
よくよく考えると変な話で、通年の仕事で依頼されるのに、途中でクビ切られるってね。
長期休みであってもやることがないわけではありません。
課題のチェックや教材研究など、教員としてやらなければならないことは多いです。
ただこれは残念なことに「教員が好きでやってること」として扱われてしまうのです。
昨今問題となっている教員のブラック労働の根源は、「教材研究が教員の仕事として見られていない」ことにあるのではと思います。
もちろんそうは思っていないでしょうが、現実問題として教材研究の優先順位があまりに低いのです。
非常勤の仕事をしていると、それを強く感じますね。