とある情報教師の独り言 #2

高等学校の教科『情報』の光と影

「情報」ってどんな授業?

こんばんは。

 

情報という教科は2003年度から始まり、今年で15年目を迎えた教科です。

長い学校教育の歴史の中では比較的新しい教科ですね。

 

なので、いったい何を教えているか聞かれることが多いです。

文字にすると長くなりそうなので、こちらの記事をご覧になってください。

 

mainichi.jp

 

よくできた漫画です。

ただし、実際のところはコンピューター操作に慣れなさ過ぎて、構造や理論を教える以前の状態なので、とてもじゃないけど教科書の内容をそのまま教えるのが難しい状況です。なので、自分はコンピュータ操作を教えつつ教科書の内容に触れるようにしています。

 

これからの世の中をITが支えていくのは間違えありません。

それを学校で教えることに異論を唱える人は少ないでしょう。

 

しかし、記事にもあったようになり手がいないんです。

mainichi.jp

 

自分はもともと数学の教員でしたが、大学卒業後に通信制大学で情報の教員免許の単位だけ取得しました。免許を取得すると数学が教えられなくなると思い、免許申請を控えていました。

 

しかし、ある年にある学校から、当時は教員免許を取得していないにも関わらず、情報で講師採用の話をいただきました。もちろん自分が情報の教員免許の単位取得をしていたのは知られていません。ただ「情報」と名の付く大学を出ていたので、それで免許外でも採用をしようと思ったそうです。それだけ人材がいなかったんですね。

 

結果的に自分は免許を持っていたようなものですから、まだ良かったケースで、単にパソコン操作ができるだけで教科を担当することもありえるわけです。(できない人ですら担当することもあったそうです)例えば、「君、料理ができるから家庭科も教えられるよね?」って言われているようなもんです。教員免許ってそんな軽いもんだったのか思い知らされた瞬間でもありました。

 

とはいえ、こんな学校の事情なんて生徒には何の関係もありません。兼任だろうが免許外だろうが、教壇に立ってしまえばそれが「情報の先生」です。高校3年間のなかで基本的には1年間しか学習しない貴重な時間なのです。だからこそ質のいいものを提供すべきで、「兼任だから旨く授業ができない」というのは一番許せない言い訳のような気もします。