とある情報教師の独り言 #2

高等学校の教科『情報』の光と影

教師のバトン

文部科学省が考えた「教師のバトン」という企画が物議を醸しだしています。

 

www.mext.go.jp

 

簡単に言うと、Twitterで「#教師のバトン」とつけて、教員をやっていて良かったことをツイートしようという企画です。

 

事の発端は教員志願者の減少でしょう。学校という職場にネガティブなイメージばかりが付きすぎたので、少しでもイメージアップに繋げようと呼びかけたのだと思います。

 

しかし、実際は学校や教員という仕事に対する不満で溢れかえってしまいました。いわゆる炎上というやつです。

tenshoku-teacher.com

 

教員の仕事は確かに楽なものではありませんが、それが本当にやり甲斐のある仕事であれば、先生たちは音を上げることはないはずです。例えば、授業の内容を考えたり、準備をするのが苦痛な先生というは、基本的にはいないはずです。しかし、例えば部活指導が放課後や休日を圧迫し、授業準備が深夜であったり休日であったり、無理をしないとできない状況に追い込まれたりします。本来は優先すべき授業が、後回しにならざらるを得ない状況になっています。

 

私は非常勤講師の期間が長かったですが、仕事としては楽しかったです。授業のことだけを考え、無理なく授業準備や、新しい試みをどんどん考えることができたからです。放課後などの生徒対応も落ち着いてできるのも大きいですね。雇用の不安さえなければ、とても楽しい仕事だったと思います。

 

もちろん教諭や常勤の先生が授業だけに専念できることはできません。しかし、可能な限り授業のために時間を使わせてあげることが重要なのだと思います。そのために必要なのは「想い」などといった抽象的なものでなく、業務を精選し放課後や休日の確保というのを強引にでも実行すべきです。

 

部活動に関しては、部活動指導員の配置が始まり、徐々に解決の方向へ向かうようになりましたが、これも人員や予算の問題がある以上は、すぐに教員の職場環境が改善されるとは思えません。ゆっくりと解決している間にも、教員志願者は減るどころか、現職の教員も離れ続けていきます。

 

なので、本当に必要なことは政治の力で無理矢理にでも変えることではないかと思います。例えば、日曜はいかなる学校活動も禁止するとか、破れば厳しい罰則を課すとか、強制力を働かせない限り、小手先の策だけでは改善されることはないと思います。

 

教師のバトンを、きれいに渡せる時代が来るかどうか。これは気持ちの問題ではないのだと、国や自治体にはよく考えて欲しいものですね。